飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

数値 vs 感覚:ご飯のは重量か?見た目か?

「数値と感覚」だったらどっちが正確ですか?と聞かれれば

みなさん「数値」と答えるでしょう。

 

それは正しいのだけれど、落とし穴もあります。

 

当店でご飯をちゃわんにいれるのはホール女子の役割です。

ですからごはんの大・中・小のグラム数を決めて

グラム測り器に書いておきました。

 

そうすると何が起こったかというと

測り器にちゃわんを置いてそこにご飯をいれようとするようになったのです。

それまでは 左手に茶碗をもって右手にしゃもじをもってごはんをよそっていましたが

下に茶碗をおいたまま上からごはんを入れると

どうしても詰め込む感じになって

ふっくらおいしそうに見えません。

 

ごはんというものは、ふっくらおいしそうによそうもので

詰め込むものではありません。

そして、そもそもごはんは炊きたてと、しばらくたったものでは

米粒の感じが変わります。炊きたてのほうがたくさんの重量をいれないと

ふっくらきっちり入っているように見えません。

そんなコンディションの違いもあります。

 

これは私が間違った指示を与えたから起こったトラブルです。

当然、測り器に書いたグラム数は消しました。

 

お鍋でもキャベツの量は決まっているのですが、

毎回毎回図る必要はありません

1人前から4人前まで違ったサイズの寄せ鍋を使っていますので

その鍋にちょうどいい感じで入っていればいいのです。

要するにおいしそうな事が大切です。

 

 

毎日何回もやっていたら、きまった重量を入れる事ができるようになりますし

原材料のコンディションの違いによって「見た目重視」で入れ目を変える事もできます。

数値で縛ってしまうと、本来の「美味しそうに盛る」という目的が消えてしまい、

決まった量を入れるという基準が重要視され、

顧客不在な店舗運営に一歩近づくことがある。

注意したいものですね。

 

数値にさえ表せば

すべてが正確になって間違いがなくなる

ということはないのです。

 

人間の感覚が美味しそうなものをつくるのであって

数値通りにつくればおいしそうになるのではないのでしょう。

 

何十回に1回、きちんと計ってみることによって自分の感覚と数値がマッチしているか確かめますが、毎回計るようなことはしません。これが正しいと思います。

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