有名な野球系のユーチュ-バーの里崎さんがタイガースのキャンプを見た感想を話していました。
曰く「シートノックの精度・スピードが素晴らしい。これぞプロって感じでスイスイこなしていく。エラー数がリーグワーストのチームとは思えない」というくだりがありました。
シートノックとは実際の守備の連係を練習・確認するノックで、今のタイガースはシートノックのレベルが高いということです。ですからダブルプレーが成功し、進塁阻止のミスが少ないため失点がリーグ最少なのでしょう。
しかし、記録上のエラー数はタイガースが一番多いのです。土のグラウンドだということと、佐藤選手が1人で20個エラーを記録しているからでしょうね。
これは記録に残る個人のエラーよりも、連携プレーのミスのほうが失点につながりやすい、ということを意味します。
捕球した後どこに投げるのか、
送球を受けた人は何をするのか、
どのランナーをアウトにするのか、
その優先順位の判断を合わせていく練習のひとつがシートノックのようです。
ですから、岡田監督はシートノックをキャンプでみっちり練習させていたということです。実戦においては捕球したとき、どこにランナーがいるかで動きがかわります。実戦では連携で失点を抑えるのです。ですから選手の守備位置を固定したほうが判断基準も安定し失点阻止の確立があがります。
前任の矢野監督は試合前のシートノックを中止することがよくありました。
理由は疲れるからだそうです。そして選手の守備位置を固定しませんでした。そうすると連携の精度は下がるので、失点が増え・進塁の阻止が難しくなります。実際、勝負所で失点していました。
ちょっと送球がそれてダブルプレーが成立しないなど、記録に残らないミスがでていたのです。
人間だから失敗はしますし、下手な人もいます。でも個人的な単発のミスは、なくならないし、単発のミスでしたら大きな失点にはつながらない。
致命的なミスは「連携不全」からおこるのです。
チームの連係システムを常に見直して整備していないと、いつまでも同じミスが続くのです。チームが連携して守っているときというのは、相手に攻め込まれているときでもあります。
その勝負所ででのミスを想定し、普段からミスせずに守り切れるような守備陣形と連携システムを構築し訓練するのは指導者の責務です。
「エラーが多いから個人ノックを受けさせた」なんちゅうのはレベルの低い指導です。個人エラーがおおけりゃ外せばいいだけですから。
飲食店においても「ピークに必要ななシステム」を普段から徹底しておれば、忙しくなってもミスが起こりません。
やたらと口頭コミュニケーションが多いとか、
忙しいときのミスが多いとか、
そういう場面を放置しているリーダーは痛い目に合う事になります。
連携プレーのミスについて経営者が対策したり、連携の練習をさせたりすることが経営者の仕事です。個人攻撃や見た目の数値改善には意味はありません。
野球でも店舗運営でも、原則は一緒で、
連携ミスがトラブル(クレームや失点)の一番の原因です。