飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

スケールメリットから個人店への転換

チェーン店が世の中になぜ増えたのか?

それはスケールメリットを生かせたからです。

昭和50年ごろ、飲食店は少なく、大衆が利用できる飲食店といえば、うどん屋さんとか街中華、喫茶店などの個人店が主流でした。いろんなお店がてんでバラバラの味やサービスを提供している状況で、ほとんどのお店がレベルが高いとはいえませんでした。

 

その状況下で、各種のチェーンレストランが次々オープンし店数を増やしていきました。

従来のお店よりもおいしいし、よくトレーニングされた従業員のサービスで楽しむ事ができるようになったのです。休日の家族での食事や団らんにチェーンレストランが使われていました。

チェーン店はどこの店でも同じ優れた品質とサービスを発揮していました。価格も安くはなかったのですが、品質とサービスのレベルを考えると妥当なものに思われました。良いアルバイトが集まりました。

たくさんのお店が同じチェーン店として、同じマニュアルを使う事、原材料を大量仕入れして価格を落とすこと、本社で開発したやりかたで人材育成を行う事、そしてテレビコマーシャルを投入できること。

これらの「スケールメリット」が勝利の要諦であると認識されていました。

 

それから数十年経って、今はどうでしょう。

残念ながらチェーン店は飲食店の本質である品質・サービスでは卓越したものは発揮していません。人材育成もすすんでいません。そもそも良い人材が集まらないからです。しかし高額なテレビコマーシャルだけは流し続けています。

 

そして

現在、人々はSNSを駆使して「個性的で優れたお店」を探しています。

現代の人々は小規模のチェーンや個人店で「おいしくて感じの良いお店」を見つけるために、ネットを駆使し、クチコミを読んだりします。

評判の良いお店には行列ができたり、予約が取れなかったりします。

 

もう、飲食事業において従来のスケールメリットの時代は終わったのではないでしょうか。円安で為替利益もでないので、チェーン店の値上げも多いし、、「組織が大きすぎる」現象に見えます。

 

このままでは いいお客さんはみんな 小規模の系列店や個人店に取られてしまい、値段や利便性を求めている人ばかりになりますのでお店の雰囲気はさらに劣化します。逆に個人店はお店のレベルを磨き上げれさえすれば、容易に大衆に伝わるので、テレビコマーシャルを多用する企業が怖くなくなりました。

環境の変化を見方にして変化したほうの勝ちではないでしょうか。

新しい形として、現場力を生かしたスケールメリットの創造が必要です。

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