飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

応募者の視点から見る面接無断キャンセルの理由

募集媒体として無料の「エアワーク」を使っている関係で、リクルート社(の代理店)の人と電話で話をしていました。

用件が終わったあとで、

「私のお店は応募数には困っていないよ。9月までにあと〇人採用したいけど、今の感じだと応募はありそうですよ。」と言うと代理店の人はびっくりしていました。

 

どうやら「人不足ではない」と言われ慣れていないようです。

 

その後の、代理店の人と私の会話・・・

 

代理店「面接が決まっても、来ない人が多いんじゃないんですか?」

 

私「そんな経験はないなあ。面接にはみんな来るよ」

代理店「えっ、すごいですね。私のお客様の中には『面接の約束をしても、3人に1人しか面接に来ない』って言ってる店長さんがいますよ。みなさんそうじゃないんですか」

 

私「その”からくり”はわかってるの?」

 

代理店「いえ・・どういうことですか」

 

私「サイトで応募するんだから、求職者は同時に3~4店舗に応募(エントリー)してるだろう。だから第1希望に決まったらそれ以外の面接には来なくなるんじゃないのかな? 辞退連絡をするほど、関係性も深くないから無断キャンセルになってるんだろう。」

 

代理店「そうですか。私たちは応募してきたら、なるべく早くコンタクトするようにアドバイスしていますが」

 

私「そんなのほとんど関係ないよ。応募者はあらかじめそのお店の状態を下見したり、ネット上で分析したりしているケースが多いから、応募前におおかたの優先順位は決まっているはずだよ。複数店舗にエントリーした段階で優先順位が低いお店は、”すべりどめ” みたいなもんですから、他にきまれば面接に来るはずがない。もともと優先順位が低いお店があわてて面接して採用を決めても、結局他が決まれば、断られるのがオチだよ。早い者勝ちではないのです。」

 

代理店「なるほど、応募者の立場になって考えればそうですね」

 

私「そうだよ。『アルバイト面接の約束をした人が来ない』なんて現象が起こったら、まずは自分のお店の”人の扱い方”に問題があると思ったほうがいいよ。雰囲気的に良くない職場に見えているかもしれないし、クチコミで悪い情報が流出しているかもしれない。バレてるんだよ。」

 

代理店「怖いですね」

 

私「だから『アルバイト面接の約束をした人が来ない』のは緊急事態のはじまりなんだ。3人に1人しか来ないなんてことになってるなら、そのお店のアルバイト定着率は相当悪化してるんじゃないかな。『最近の若者はだらしない』とか言って、世間のせいにしていたらダメですよ。事実として私のお店は面接の無断欠席なんて無いからね。」

 

代理店「・・・・・」

 

こういう会話はよくあります。代理店の人は飲食店は100%人手不足だと思っているし、面接無断キャンセルの理由を深く考えた事もなかったようです。

 

営業しているお店のすべてが深刻な人手不足に陥ってるはずもないですが、

応募者の目線で考えてなければ募集は成功するはずもないです。

 

面接の無断キャンセルを「相手の問題」と考えるべきではない。

 

相手の責任ではありません。

そのお店が競争に負けただけです。

あなたのお店がどこかのお店にアルバイトを取られたのです。

放置していたら、現在の在職者もどんどん取られてしまうかもしれません。

ものすごく危険な兆候です。

 

応募数が少なければ、募集時給を上げたり、媒体を増やしたりすれば改善できますが、

「面接の約束をした人が来ない」のは、そういう事以前の問題なのです。

 

 

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