飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

罠と農林業:比喩から見るアルバイト採用と育成の本質

 

変なたとえ話ですが、

通常の店舗運営は「畑を耕す」ような仕事だと思っています。

耕して種をまいて肥料や水を与えて育て、収穫を待つ。収穫しながらまた畑をたがやして・・・みたいな感じでお客様との関係を築いています。

 

しかし、アルバイトの募集活動は「猟師が罠を仕掛けて獲物を生け捕りする」ような感覚です。

罠の量を増やせばいっぺんにたくさんの獲物がとれます。これは高価な募集媒体を使う事を意味します。餌をよい物に変えたら獲物が取れます。これが時給UPの効果を表しています。

さしずめ、わたしのやり方は「罠の量が少なくて、餌はいいものを使っている」って感じでしょうか。ノウハウがあるから効率が高まります。

罠の設置場所にこだっているベテラン猟師と言われたいですね。

 

さて、、、、

6月に入って1日で3人の女性の応募がありました。

面接をしてみたら、3人とも採用基準を満たしています。

しかし、一度に3人とも採用したらどうやって育成するのかが問題になります。労務費にも限りがありますので、一度に1人が適正で、無理して2人が限界でしょう。

 

私は心を鬼にして3人に優劣をつけることにしました。応対、言葉使いなどパフォーマンス的な事と、自宅から来ているか?下宿か?なども加味します。下宿の人はどうしても帰省期間が長くなることも考慮しました。

 

悩んだ結果、2人に絞り、1人はお断りすることにしました。

使える人材を雇わない、という決断は断腸の思いです。



農業や林業においても「間引き剪定」という手法があります。これは、込み合った部分の枝を幹部から切って間引きし、日当たりや作業性を向上させる事です。これによって花芽が付きやすくなるそうです。日光が当たりやすくなるからでしょう。

 

つまり木の成長を見越して、健康な枝を切り落とすってことです。

 

今回不採用だった人はまさしくこのケースとなりますが、ご本人には「あなたは間引きされました」と伝える事はできません。失礼な話ですから。

 

ただ、「不採用でした」とお伝えするだけです。元気を出して次のアルバイトを探してほしいと思います。

 

募集は「罠」のようなものですが、育成は「農林業」のような作業です。

厳しい決断は早めにして、地道な作業を毎日繰り返していきましょう。

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