飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

やった事と目的が微妙に無関係な時があるよね

外食産業で店長として勤めていたころ、「部下の店舗オープニング作業の評価をする」という仕事がありました。開店前からオープニング作業に参加せず、部下の動きを見て、25項目で100点満点のシートで採点するわけです。

その日の部下は良い出来だったのですが、1項目だけ辛い採点になりました。それは「衛生管理」の項目でした。衛生管理ですから不衛生な場所を拭いたりすることを採点します。その際、決められたバケツにブリーチ溶液をためて、そこに清潔なクロスを含浸させておく事(=サニタリーバケツ)が必要になるのです。しかし彼は開店直前にブリーチ溶液を用意し、それまでは普通のふきんで拭き上げをしていたのです。私は「作業前にサニタリーバケツの用意が無かったので衛生管理は最低点とします」と評価しました。厳しい採点だったと思いますが、殺菌されたクロスが無ければ衛生的ではありません。さらに、①模擬評価だったこと、②公正な基準を指し示している事、③作業手順の入れ替えを求めているだけで、追加作業を求めているわけではないので本人の作業量は増えてない、すなわち負担を増やす原因にならない事、などを考慮した正しい評価、そして指示だったと思います。店長の仕事としては妥当なやり方でしょう。

 

例えば、その採点シートの中に

『飲食店内における会話中の飛沫防止』という項目があったとしましょう。

「マスクを持っていないお客様はお断りする」という行動は公正で正しいと思います。マスクを持っていないお客様は会話中に飛沫を飛ばさないための道具が無いのですから、その人達を入店させることは、サニタリーバケツが無いのと同じです。仮に「私たちは絶対しゃべらないから」と誓約されても、マスク持参のお客様に対してアンフェアになるのでご来店拒否となっても妥当です。

では、「飛沫防止のため、禁酒にします、」という行動を当時の私はどう評価したでしょうか?お酒を飲まなくても、飛沫は飛びます。ビールを晩酌に食事をしても、大声出さない人はたくさんいます。禁酒よりマスクちゃうか?とも思いますので、不合格にするでしょうね。

したがって、酒類販売停止要請は、店内の飛沫防止対策としては無関係。

ですが多くの、お店は禁酒で売上を失ってしまいます。静かにお酒を飲む店など飛沫とは無関係の多くのお店が休店を余儀なくされる結果になります。このように、酒類販売停止要請は人流抑止政策としては、評価できるんです。「お酒のめないんだったら、飲食店にはいかないでおこう!」と思わせるには十分だからです。

つまり、禁酒令は飲食店に対して業務停止措置を行ったのとほぼ同じ効果があります。繁華街に出向く人は減り、人流は減ります。「人流」だけをみたら成果はでます。主権制限と言われないやり方です。巧妙ですが、自治体がやる仕事としては「姑息」に見えてしまうのは私だけでしょうか・・・・。

 

飛沫防止対策と見せかけて、業務停止措置を行う。こういう不誠実な施策はかならず「ブーメラン」となって自治体さんを苦しめますよ

 

例えば「ステッカー獲得店舗はお酒売れますよ」というのは、「飛沫対策ができたら業務停止をといてあげるよ」と言ってるのと同じです。人流抑制と飛沫抑制には関連性はないのですから、違和感しかない。不誠実ですね。

 

結局、

飛沫対策OK ⇒お酒飲む ⇒感染増えない ⇒多くのお店が流行る ⇒人流増える⇒病床ひっ迫⇒また営業自粛?

やっぱり病床数が問題なんとちゃうか?

飲食店は病床数の不足をひき起こした人たちの

隠れ蓑になってしまって巻き込まれたんかなああ