飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

飲食店的な祇園祭期間の思い出

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

毎年7月16日は祇園祭の「宵山」です。翌日が「巡行」ですがここ2年は実施されていないようですね。私が京都の四条河原町近辺で飲食チェーンの店長をしているころ、祇園祭は「宵々山」くらいから無茶苦茶売れました。ですから「祇園祭対策」は非常に重要な事でした。

対策といっても、

私のやり方は4月に採用したアルバイトを含め、バイト全員に対してまず、5月中に

祇園祭期間はものすごく売れるので他店からのヘルプをかりなければならない。ですから自店舗のアルバイトの皆さんは、他店の方に失礼のないように、できるだけ早くスケジュールを確定させ、きちんと働いてください。」と、伝えます。

お店全体の「祇園祭」に対する責任感を醸成してから、具体的な「人集め」を始める作戦で、例年成功させていました。具体的な人集めは直前のほうが精度もあがります。「祇園祭りに起用してもらえる」という意識がアルバイトに芽生え、当日の営業状態がすごくよくなります。みんな必死になってお客様に対応し、売上げ記録を期待するのです。当時の祇園祭り期間は大変な売り上げになるので、人数だけではなく、働いている人の参加意識も売上げに大きく影響したのです。

 

ある年の4月、周辺店長数人とスーパーバイザー数人による「祇園対策会議」がありました。店長が進捗を報告する場面です。私がスケジュールの仕上がりを7月初めと報告したら、よそから来たばかりのスーパーバイザーが「遅い、遅すぎる」と怒り出しました。例年、これでうまくいってるのが理解できないようです。彼にとってはアルバイトは早くからスケジュールを束縛しておいて逃げないようにする対象のようでした。そんな関係性では当日のサービス状況が思いやられます。

 

プロですから、失敗してはいけませんが、彼のようにただ人集めするだけ、という考え方では、結局失敗する。とにかく当日のサービスやバイトのやる気を最大限に向上させるための準備ですから。このスーパーバイザーとはその後も意見は合いませんでしたが、自分にとっては問題なかったな。目的を見間違えてはいけない。