ドラッカー博士は著書の中で「恐怖によるマネジメントは真の力を得ない」と言っています。「できなければ給料をさげるぞ」と脅されながらでは、自発的な仕事はできませんよね。
結果に対して、厳しい評価を与えたり、間違いを叱ったりすることは問題ないですが、恐怖心をあおることをマネジメントとして使っても成果ににはならないんです。
時短営業に応じない飲食店に対して、金融機関を通じて注意させる、とか、問屋からの納品を停止する、とか、グルメサイトで密告させてさらし者にする、とかの施策を、大臣がマジで実行しようとしました。これについて時短営業に応じている飲食店や普通の国民のみなさんはなにか「違和感」を感じたのではないでしょうか。
私も時短営業に従わない飲食店に対して憤りを感じていますが、この施策についてはそれよりも強い違和感を感じました。
「目の前で国の最高機関が国民に対して『恐怖によるマネジメント』を使おうとしている。」
この違和感が嫌悪感になりました。それは時短営業に従わない飲食店への憤りを越えたものです。
全国民の代表たる議員さんが、きちんと法律を決めてくれれば、こんな嫌悪感は起こりません。法律で決める事が出来そうにないから、「恐怖によるマネジメント」を使って、人を動かそうとするならば、それはダメです。
ビジネスの世界で「ダメだ」と分かっている事を政治の世界で使おうとしているのを見せられて、多くのビジネスマンや一般国民は「この政府はダメだな」「信頼しているとひどい目にあうな」と、すこし、思ったことでしょう。
こういうことが、まん延防止重点措置とか緊急事態宣言がでているにも関わらず、人流も感染も減らない理由のひとつではないか、と思います。
これまで政府や対策会議と信用していた人達の多くが「幻滅」してしまった。
これが、この問題の本質かもしれない