飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

今回で500話目になります。私のルーツについて考えました

今日でこのブログは500話です。ご愛読に感謝いたします。

数日前から500話目に何を書こうかと考えておりましたが、自分のルーツを考えてみようと思います。

私が人材育成、人材活用を意識したのは、今から思えば父親の影響です。父親は陸軍戦争経験者で、満州で捕虜になったあと帰国し、タクシー会社の課長をした後、独立し自動車の板金、塗装、保険代行等の町工場を経営していました。

父親がときどき、家族の前で仕事関係の面白い話をするひとときが好きで、よく聞いていました。その話のひとつに、タクシー会社の課長の時の話があります。

曰く、父親は運転手さんが1日の仕事を終えて売上げ報告を受ける時に、机の下に冷えたビール(氷水につけていたんでしょう)を用意しておいて、たくさん売上げた運転手さんに「ごくろうさん、まあビールでも1杯飲んでくれ」とやったそうです。それが運転手さんにウケて、うまく仕事ができたとのこと。

中学生だった私は「仕事」というものを理解していなかったのですが、「人というのは扱い方で動き方を変えるよなあ」とか「うまくいったら褒めてほしいし、褒められたらまたがんばるんだよなあ」とか、感じていました。

当時は、人を指導する立場になれば、スパルタ式で教え込んでいく事が正しいとされていたような気がします。前の東京オリンピックでの「東洋の魔女」がもてはやされた時代ですからね。(でも女子バレーの大松監督もオリンピック後選手の結婚相手を探すのに奔走されるなど、面倒見がよくて選手からも信頼されていたようですが)

上司の人材への接し方はスパルタが基本なので、「心を鬼にする」ようなイメージですが、父親の経験談は全く反対で、目標を確認し、仕事を評価し、労うものはねぎらう、というプロセスがある事を子供の頃から意識できたんだと思います。

父親は話し上手で、特に捕虜時代の話は秀逸で、面白かったです。

長生きはしなかったですが、遊び上手な父親が絶対に海外旅行はしなかった事を思えば、戦争体験自体は自分としても納得のいかないものだったんだと思います。

ブログとはいえ、現場の人材戦略の実践レポートを500回も書いているような人間になっている事を思えば、この少年時代の経験は私の人生に大きな影響があったのは間違いないのです。

私の心の根幹に「人は大切に扱う」「人は1人1人ちがう」「扱い方によって変わる」とかの概念を思考させるきっかけを作ってくれた父親に感謝しています。