飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

近隣採用の利点

以前、この春卒業する男子アルバイトさんが3人いる事を書きました。

1人は調理名人になった事は報告しましたが、ほかの2人はどうだったのかを書きます。

この2名は、とにかく仕事が早い!、覚えるのも早いし、閉店作業も終わらせるのも早い。でも仕事の質は低くない。バイト慣れしてますしね。優秀です。

 

但し問題は、当店の事情で毎日働かせる事ができないのでした。でも彼らはたくましいので、梅田とか三宮で他のアルバイト先を探してきて、自分の収入を安定させていました。

下宿している大学生さんで男性と女性の大きな違いは、男性は限界までアルバイトをしますが、女性はアルバイト漬けの生活にはならないという事ですね。

 

女性は無理に働くと(ある意味)危険だし、ご両親も心配なので資金援助ゼロにはならない。そういう意味でご両親に不義理な事もできないし、自分の事を考えても無茶にアルバイトを増やしたりする人は少ないように思います

 

それに反して、男性は経済的支援がゼロの人もいます。私にも経験がありますが、大学生時代は遊ぶお金が必要だったし、親からもらうわけにはいかないので、究極までバイトしていました。その経験自体が「勉強」にもなりました。

 

そういうことがわかっていたので、この男性アルバイト2人が、そんなには働けない事を理由に退職してしまわないか心配でした。

 

彼らが4年間退職しなかった理由は「家(下宿)が近い」からだと思います。家の近くにまかないで夕食を食べる事ができるアルバイト先があったら便利ですし。

 

仕事がキツくなくて、晩飯で肉が食えて、近所に仲間ができて宴会も年2回くらいあるし、たまに飲みに行ける店にもなってたら、あえて退職する理由もないでしょう。

 

でも、「店長が嫌なヤツ」だったら簡単にやめてしまうでしょう。

ですから私は彼らに仕事量を求めず、予定通りに出勤したら確実に作業する事だけを求めました。月に1~2回の稼働になっても、全く問題ありません。

 

有能な人材であるならば、稼働率は「特徴」ととらえて、決して辞めさせないように使う事が大切です。そのために必要な要件は 近隣から採用する事です。

 

4年間トータルで見ると「いるといないでは大違い」です。

 

スケジュールの谷間をうまく埋めてくれていたし、宴会ではええ味を出してくれますし、存在感がある。

 

彼らが働いてくれた日には、余ったごはんをラップにくるんで、「持って帰るか?」とか言うと、結構喜んでくれました。余ったごはんなので当店にとっては大したことではないのですが、彼らにとっては死活問題だったようですね。