先日、アルバイトのTさんが次月の、とある日のシフトをキャンセルしてきました。
結構厳しい日でしたが、「了解」しました。
その日彼女はおばあちゃんのお家にいくことにしたそうです。でも1時間くらいの滞在でトンボ帰りしてきて、翌日は彼氏とデートするそうです。
「だったら行くなよぉ」
一応アルバイトが「先約」なんだから、と思いましたが、、、、
彼女の優先順位は
彼氏⇒おばあちゃん⇒バイトである事を再度認識しなおして
あきらめました。
先約がすべてにおいて優先されるわけではないのです。
しかも彼女はちゃんと早めに申告してくれているので、事業主が文句を言う筋合いでもありません。ビジネスですから。
ただし、私の彼女への優先順位は少し下がります。
来月からスケジュールが他の人とバッティングしたら、他の人を起用する可能性が、少し高まりました・・・。これもビジネスですから。
そんな事を考えていたら、衝撃の映像が目に飛び込んできました。
それは・・
「Timee だったら行けるのに!!」のCM
https://youtube.com/watch?v=AN-h98RZRuQ&feature=share
バイトの予定がはいっている日に行きたいライブが決まったが、バイトがあるから行けないというケースで
「Timee だったら行けるのに」と展開してます。
私は「んっ?」と思いました。
キャンセルしやすいってこと?
ライブなんか2~3日前に決まるもんでもないから、ドタキャンしなくてもいいはずやんか。
じゃあ、シフトが曜日で固定されているアルバイトをしてるってこと?
そんな固定アルバイトするってことは、アルバイトが「本業」に近いってことよね。
だったら簡単にキャンセルしていいの?
疑問が噴出。
たしかに、飲食店において労務環境が良くなかったり、うまくコミュニケーションできてなかったりして、
事前に申告してもバイトさんが「休む事」にも苦労する職場はあります。
言葉は悪いけど、こういう職場を労働環境上「底辺の職場」呼びましょう。
また、環境の良い職場の従業員の中でも、スケジュールが安定しないため、なじめなかったり嫌われていたりする従業員がいます。
これまた言葉は悪いが「底辺の従業員」と呼びましょう。
(底辺=能力ではないですよ)
「底辺の職場」「底辺の従業員」にはそれなりに不満があり、違ったアプローチへのニーズ(需要)あるでしょう。そこを突けば商売にはなりますが、皆がやらないのは「底辺のケース」は希少だからです。
しかしこの「底辺の現象」を コマーシャルやコンサルによって「普通のケース」に置き換えていくと、需要が増えてビッグビジネスになったりします。
昔で言う「マッチ=ポンプ」じゃかいのかなあ。
現代の言葉で名づけるなら「底辺ビジネス」かな。
底辺を相手にしているのでニーズが尽きる事はありません。
なぜならこの顧客は根本的な改善への意志が薄いからです。ニーズは増える一方でしょう。人間ってそんなもんです。でも怖い。
とある調査結果では店長のコミュニケーションに課題がある職場は42.5%です。つまり6割の職場は問題なく運営できています。残りの4割の職場も崩壊しているわけではありません。
映像を使って「底辺の職場」が現代のノーマルであるかのように思わせ、普通の従業員を底辺の従業員になるように誘導しているように見えます。
そんなことしなくても、良い職場はなんぼでもあるよ・・
今回も
めちゃめちゃ批判して申し訳ありませんが
「私の作った職場は、アルバイトさんの個人的な生活優先順位を理解して、柔軟に対応しています。その代わり店長側も(公開はしないけど)優先順位をつけて人に対応しています。それが普通、かつ大部分のビジネスを遂行する職場の状態です。」
といいたいだけです。
飲食店長が目指すべき職場の形とは何なのか、考える参考になればと思います。
便利なシステムを活用して優位に展開しようとしたはずが、「底辺の職場」に仲間入りした、なんてことのないようにしましょうよ。