言いがかりのような事を書きます。
最近のプロ野球で「クオリティスタート率」略してQSとか言われている数字があります。
先発投手が6イニングを自責点3点以内に抑える事を言います。
これをクリアしているなら先発投手はやるべき仕事をしたと判断される、ということです。たとえ敗戦したとしても投手は一応の責任を果たしたので、打撃陣にも敗戦の原因はある、となりますね。
プロの世界ですから、いろんな指標で選手を評価するんでしょうが、数値だけで人を判断することには限界があります。
例えば
「QS率が高いが、10勝10敗の投手と QS率は劣るが 12勝8敗の投手はどちらの値打ちが高いのでしょうか」という疑問は必ず出てくるし、もう出てます。
毎回クオリティスタートしてくれるが、勝ててないピッチャーが先発している試合ではワクワクしません。ピシャっと抑えてくれないからです。「粘りのピッチング」とか言われがちな投手です
選手側からすれば
「対戦相手が違うのだから、強いチームとの対戦が多いと損になるじゃないか!」という不満にもつながる。
勝つために試合しているんですから、勝ち投手であることは賞賛されるべきでしょう。最近は先発が完投しないので、勝利ゲームに関与した中継ぎ投手にホールドポイントとかセーブとかの賞賛を与えるのも理解できます。「勝利」と直接紐づいているからです。
しかし、敗戦しても、、、もしくは終始リードされていてもクオリティスタートにはなります。「勝利」とは直接紐づいていないからです。
「勝利」などの最終目的に紐づいていない評価・・・・・。
これは、飲食店における「売上げ」に直接紐づいていない評価数字と似ている部分があります。これは分析のための指標です。
売上に問題がある場合であっても
そのお店の努力はお店を利用すれば、わかるでしょう。
リピーターが多いお店は、それなりに価値があります。
長年その場所で商売ができているならば、それもまた価値を表しています。
部下、従業員についてもそうです。管理者が勤務スケジュールを作り、働きぶりをみていれば評価を間違う事はないでしょう。責任ある上司がご自身の評価基準を確かめる参考にするために、数字を見るならば値打ちはあります。
しかし
自分でスケシュール調整もしないで、現場で従業員の仕事ぶりをしっかり見ていない人が評価者になったとき、評価にこの分析数字を使いだしたら、もう悲劇です。
分析のための指標がそのまま評価に使われるのは良くない。
職場はまともに機能しなくなるでしょうし、不満による人手不足が起こります。
デキる上司の評価って 時として「不公平」に見える時もあります。それは上司にしかみえていない事柄があるからです。
客観指標は関係性の遠い人が、評価に口出しする材料にならないように使ってほしいものです。