飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

「生え抜き」の時代になりました

mainichi.jp

 

ドラフト1位でクリナップトリオ

「面白いなあ」、と思う事を知りました。

2023年のプロ野球日本シリーズを戦った、阪神タイガースオリックスバファローズの最終戦先発メンバーのほとんどが「生え抜き」だったそうです。

フリーエージェント(FA)などの「引き抜き」には頼っていません。

 

この事実は「これからの組織作りのヒント」でもあり、「これまでの組織作りの反省」でもあります。

 

キーワードは言うまでもなく「生え抜き」です。

 

「生え抜き」軍団とはどういう意味なのか、を考えますと

その仕事に対して「しろうと」の段階で採用し、

自社・自店舗で育成トレーニングを施し

プロフェッショナルもしくはスターに育て上げるということです。

それに対する「手間」は膨大です。

 

たくさんの素人さんを採用し

育成しながら選別もおこない、

時には励ましたり、叱ったりしながら、

精神面・技術面を鍛え

力量不足の頃から実戦を経験させたんだと思います。

 

途中で故障したり、引退したりする人もいたかもしれません。

 

育つまで指導する球団やコーチ陣のストレスは計り知れません。

 

反面、フリーエージェント(FA)選手は

誰かが育成の手間をかけたスターを引き抜くのですから、

給料は高いですけど、育成の手間やストレス・育成コストがいっさいかかりません。

ですから「お得」に強化できる、と考えるのも無理はありません。

 

ところが、現実的には

FAを多用した球団は優勝できず。

生え抜きにこだわった球団が強くなっています。

www.nikkansports.com

 

 

生え抜き軍団にあってFA軍団に無い物ってなんでしょうか?

 

それは「育成」の経験です

 

「素材と時間さえ与えらればスターが育成できる」

という自信があれば、

今、どんな素材が必要なのか?

どんな育成方法をとればいいのか?

がわかります。

計画さえすれば「時間を確保すれば、必ず勝利できる」、と思っているでしょう。

 

その「手間」を嫌がって、

手っ取り早く「引き抜き」FAでスター補強したら、

育成のノウハウは無くなってしまいます。

だから

組織は

スターの能力の劣化とともに、弱体化するのです。

 

飲食店に目を向けると

長期に働いてくれているアルバイトさんがいる事は素晴らしいですが、

そのために

毎年の採用数が少なすぎるとか、

採用が滞っているとか、

そういう事態になっていてはいけません。

育成のノウハウは常にブラッシュアップしておかないといけないのです。

 

「人を育てる手間」を惜しまず、

適材適所を探して

そのために必要な時間から逆算して、

手遅れにならないように採用育成を開始することができなくなったら

「生え抜き」で戦う事は不可能です。

 

すなわちクレバーな経営の成果が「生え抜き」なのです。

 

ですから、飲食店がしょっちゅうアルバイト募集していても何の問題もないです。

ベテランは重要ですのでいつまでも働いてほしい。

しかし、歳に応じて変化していくことも理解しなければならない。

成長するには常に「採用・育成・活性化」を実行する必要がある。

 

そういうややこしい事にとりくんでこそ

お客様に愛されるお店ができると思います。

人材を流動化させれば組織が強くなるとは限らないのでしょうね。

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