同業者の友人がお店に遊びに来てくれました。
彼は開店前から来てくれて、食事をしてくれるつもりのようでしたが、
平日でそんなに忙しくないので
「厨房で仕事しながら話しないか?」
と私から誘いました。
同業者同士の話の場所は「仕事場」が一番です。
調理したり、従業員とやり取りしたりするシーンを通じて
その感想を求めたり
意見交換したり
相手のお店の状況を聞いたりしました。
普通にお酒を飲んでるよりも何倍も濃い時間です。
でも9時前に暇になったので、
テーブルでお肉を食べてもらいました。
3時間くらいは一緒に厨房で働いていましたね(笑)
近況の事のほかに
オペレーションのこと、原材料の事、保管方法の事など
いろんな話をしました。
彼の感想で一番印象に残ったのは
「従業員の余裕を感じた」という感想です。
その日はホールで4年生さんがはたらいていたのですが
たしかに、彼女は
おちついて、ほがらか、で上機嫌で、有能に
自分らしくはたらいていました。
確かに余裕しゃくしゃくです。
店長がいなくても、客席を最高の状態で保ってくれています。
そういう人材の育成の秘訣について、
私は彼に
「ペーパーのマニュアルを極限まで削減すること」
と説明しました。
「本人の良さ」「独自な良い判断」を最大に引き出すためには
ペーパレスなトレーニングが最適です。
この場合ぺーパレスといってもDX化とかAIとかそういうことではなく
ノンマニュアルなトレーニングということです。
お客様の多様なお好みに答えるためには
時としてマニュアルが邪魔になることがあります。
たとえば濃い味、薄い味・・
なれなしい接客、そっとしておいてくれるような接客・・等
お客様のお好みは千差万別です。
マニュアルで統一された接客は不快な思いをさせない
中立的な平均点をいただくための手引きにすぎません。
マニュアルがあるので内部評価はやりやすいのですが
お客様の評価からは、かけ離れてしまう危険があります。
従業員はマニュアルを守るために余裕はなくなって、
お客様を観察しなくなります。
ていうか
観察する必要すらなくなります。
だからといってノンマニュアルなレーニングの問題点も数多くあるので
「危険な賭け」に挑戦するようなものですが・・・
そういった微妙な案件を深く話合う事ができました。
昨今
短時間で要点をまとめてディスカッションすることが必要とされていますが
ゆっくり時間をかけて現場を観察しながら感想をぶつけ合うような作業は
「何かを生み出したり」
「何かに気づいたり」する事ができる重要な時間になります。
こういう時間が取れるなら
厨房に「侵入」されるのもいいですね。
👇よかったらポチっとしてください