「肌感覚」・とか「肌感」と言われる基準と
数値で表された基準(統計・成績)があります。
現代においては、どんな世界においても、数値で表された基準が多種多用にありますので 「肌感」は死語またはアナログ時代の遺産になってしまっています。
私が修業時代に「数値基準」というものが流行り出したのですが、
その時の上司は「肌感覚」と「数値基準」の関係について、明確な考え方を示してくれました。
それは「レストランの仕事中にストップウオッチや温度計等を常時出しておくなどの事は無理だ。だから、自分の感覚で『早い・遅い・良い・悪い』がわかるようにしておけ。その上で自分の感覚が合っているかどうかを確かめるために、時々数値を計って見ておきなさい。」というものでした。
サービスの指標や、バイトのスキル、売上げや利益の傾向などを、お店にいるときの「肌感」で観測できるようになること。そのためにセルフトレーニングとして「数値基準」を使う事を教えてくれました。
しかし、今では「肌感覚」を嫌い、経験値を軽視する傾向が強まっています。
「数値一辺倒」ってのもどうなんでしょうか?と感じていたところ面白い言葉に出会いました。90年代にMLBの監督を務めた、トビー・ハラー氏は
「スタッツ(統計や成績)はビキニを着た女性のようだ。多くを見せてくれるが全てではない」といっています。
しっくりくる言葉ですね。
現場で見ているのに、判断できなかったり、間違えてしまっていたら、その店長は成功しません。数値に頼って自分の目で確かめることをあきらめてもいけない。しかしすべてをヤマカンでやっていてもだめですがね。
「顧客満足度〇〇%」とか「〇〇%のお客様が不満を抱いている」とか「会員数〇〇〇万人」とか、数値による評価を前面に押し出してくる広告やセールスも多いですが、それもまた商品やサービスの価値を決める物ではない。
世の中にある「情報」はすべて「多くを見せてくれるがすべてではない」
しかし現場にいると、すべての情報がいっぺんに入ってきます。
それを感じるか感じないか、
正しく捉えるか、間違って捉えるか、
その能力を鍛えるもの、サポートしてくれるものとして
数値が生かされるのだと思います。
残念ながら、数値基準を重んじるあまり、判断能力をつちかっていない店長さんが多いのではないでしょうか
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