飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

人手不足考察①


現場が我慢強いと、問題の本質がいつまでも改善されない事もあります。


飲食店における人手不足とは何か?自分で実感していても、なかなか明確に理解できていないことではないでしょうか。私は、需要(お客様の量)が供給(店舗サービスの総力)を上回っている事、と定義しています。この思想に基づくと、需要(お客様の量)が減ってくれば、人手不足も解消されます。例えば、昼のラッシュ時が終わって、お客様が減れば、人手不足ではなくなります。仮に、従業員が少ないまま営業して、あきれられてお客様を失っても、人手不足ではなくなるのです。こんなふうに無理して営業し続けると、商売そのものの危機となります。しかし、需要と供給のバランスが取れるように、営業を縮小したら、お客様の期待を裏切る危険を回避できます。客席数を減らすとか、営業時間を短縮するとか。商売そのものを失わないためにサービスのレベルを維持ることが大切です。昔、人手が足らずドライブスルーを止めた豪傑店長がいました。ほめられないけど、間違ってないと思います。

 

1年中人手不足を感じながら営業し続けることのできているお店は「繁盛店」です。だって需要(お客様の量)が減ってないんですから。

 

しかるに、ふつう、店長さんは供給不足ばっかり気になるのか、人手不足を感じたら、まず募集を企画したがるのです。そのくせ、営業席数の削減とか始業時間の見直しとかは発案さえしないことが多い。

「採用した従業員を戦力化すること・・・」これが一番遠回りで不確実な行為です。これが計画通りできるなら人手不足になっていません。できてないから人手不足なんです。

これでは既存従業員はたまったものではない。店側は需要(お客様の数)の見直しなんてことはできないんですから、供給(従業員の量)以上の注文が入らないようにシステムを見直してほしいのです。それこそが「すぐできる事」なのですから。

 

ふつう、オーナーは店側が供給できるサービスに合わせて 営業時間や席数など本質的なシステムを見直す事を 嫌がります。

だから、募集がんばるからなあ、とか言って従業員に無理をさせます。

 

そんなお店が多いですね。ほんとは従業員は 「今できる事」を要求したらいいんですよ。または、残業拒否ですね。経営者を甘やかしてはいけないと思いますよ。

 

ほっておけばお客様に見向きされないお店になって 人手不足は解消されます。悲しいかな。

現場が我慢強いと、問題の本質がいつまでも改善されない事もあります。