飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

回転すし屋さんから脱却した回転すし屋さんが誕生しましたよ

実際の体験に勝るプロモーションは無い、とつくづく思います。いくら「美味しい、美味しくない」と理論上の論争しても、誰かの口の中にはいってしまえば「美味しいか、美味しくないか」の決着はつくのです。口にはいれないけど、サービスの評価も同じです。

とある回転寿司さんが次の日曜日、寿司全皿半額にするそうです。自社のお寿司が「回転すし屋から脱却した味とサービスを目指している事をお客様に体感していただくため」だそうです。米、海苔、醤油、わさび、てんぷら粉、手間をが「回転すし屋から脱却」したレベルにあるそうです。全店が。

 

すごいですね。

 

実際はどうなのかわかりませんが「回転すし屋から脱却」した回転すし屋ってどんな回転すし屋さんなの?

なんらかのレベル改善が行われた事は理解できますが、「回転すし屋からの脱却」というのは「回転すし=おいしくない、高級でない」をベースにした考え方ですか?

回転すしに行く人は、美味しくないけど安いから、我慢して回転すしを利用しているとでも思っているのでしょうか。いろんな回転すし屋さんがあると思いますが、私は「回転すしは美味い」と思って、頻度よく利用しています。

 

しかし残念ながら、私が「美味しいな」と思って利用する回転すし店のリストに、この寿司屋さんは入っていません。本年2月1日のブログに 回転すしの事を書いていますがここは「他店の改善が顕著な中、味とサービスが落ちていて心配なお寿司屋さん」でしたから。

疑問点が多かったので、ネットで調べてしまいました。すると企業買収の最中だったですね。業績も苦戦してましたね。納得しました。今回は新しく経営者になった方々が、過去の経営陣のやり方や実績を言いたい放題批判した後に生まれた戦術なんでしょうか。「回転すし屋からの脱却」という表現には、そういった勘違い、を感じます。

従来から、一番美味しいと言われていて業績が好調なお店なら「脱却」を論じてもいいのですがね。まずは追いついて欲しい。脱却する前に、よい回転寿司になってね。


1日だけ半額にするとお客様が殺到します、お店が正常に運営できるのか。そこで「回転すし屋から脱却した」味とサービスを表現できるのか、見極めさせていただきたいと思います。

これまで現場で味を感じ、サービスを構築していた従業員の皆さんはこんな広告を求めていたのかな。現場を知らない経営陣だな、と思ってなかったらいいんですがね。

自社の過去の否定だけでも腹立つのに、他社やお客様を含めた、業態の否定をしている事に気が付いているのかな。

とにかく、看板に偽りなく、すばらしい味とサービスを構築していただけるように期待しています。


頑張ってね。

 

prtimes.jp