電気代が上がっています。
今日、テレビのワイドショーをみていたら、飲食店をやっている芸人さんが出て来て、「電気代が上がってたいへんですわー」みたいな感じを出していました。
で、対策として、
厨房の蛍光灯を減らす とか
客席暖房の温度設定を下げる とかを「お店側の努力」として報じていました。
「あほか~!」
私は画面に向かって、そう言いそうになりました。
この2つは、電気代が上がって利益が圧迫された場合において、飲食店がやってはいけないアクションの代表です。
まず、客席の環境レベルを悪化させてはいけない。
確実に売上げに響きます。
この芸人店長曰く
「暖房は1度違うと電気代が変わると聞き、25度にしたら(客に)寒いと言われ26度にしました。」
とか言ってましたが、お客様に「寒い」と言われた時点でアウトです。電気代対策で客席を寒くする店長の店なんか利用する必要無しです。
それをお客様から指摘されるなんて、もう言語道断。
さらに、厨房を暗くするのは、味がおちてもいい、という意識の表れです。話にならない。なぜいままでその照度が必要だったのかを考えてください。
こういうアクションが "節約・工夫"として、通常時になされるなら理解できるが、今回の番組はそういうスタンスではなく「今、飲食店は無理を強いられています」と言いたいんです。
電気代値上げだから電気削減、最低時給が上がったから労働時間や残業削減、食材費上がったから原材料コスト削減、、、、、、
こんな考え方では店長失格です。店は潰れてしまうと思います。
お客様の立場で考えてください。「電気代上がったからエアコン切りよった」「食材費あがったから質を落としよった」・・お客様にお店が見放されるときに使われるセリフの代表ですやん。
経費環境が激変したから、無理して(必要な)経費を削るのは、「終わりの始まり」だから、決してマネしないでください。
例えば電気代が上がったんだら、まず他のラインの経費で相殺できないかを考えるべきでしょう。
経費全体の中で ”ゴソッ”と抜けるものは無いかを見る事です。
外部委託で頼んでいた業務を社内作業にする、とか 新聞購読を止めるとか、家賃交渉(むつかしいけど)するとか。
近々完済する借金が無いか確認してみるとか。保険の積立をやめるとか。
つまり、経費全体の中から、定時支払いが無くなったり、削ったりできるものが無いか、電気代の値上げと相殺できるものがないか考えましょう。
それを確認しても、全額は解決できないならば、
価格に転嫁するべきです。
とにかく、電気代が上がったから 電気の使用量を削減する という短絡的な考えは、そもそも無理ですし、営業そのものを狂わせてしまう危険性がある、といいたいのです。
この芸人店長もそれぐらいはわかっているのでしょうが、テレビに出たいからこんなこと言ってるのかもしれません。
テレビの視聴者は面白い番組と思ってくれるかもしれませんが、お店の常連は「お店を寒くするなんて・・」と、許してくれないんじゃないかな。
そんな危険でアホなアクションを”飲食店の現状”であるかのような放送をする番組が後を絶たない。
それが怖い。
こういう煽り記事が一番アカン