60歳を越えますと、友人の多くがそれぞれの会社を次々と定年退職します。
継続雇用の場合もありますが、違った道に進む人も多いです。
友人のHさんは、大手の日用品メーカーの営業を長年勤めあげた後、ハタケ違いの不動産業に就きました。
彼は、会社組織には属していますが、実際は自営業者のような境遇だなあ、と思います。1年1年が勝負ですね。
私は8年前から自営なので、彼の気持ちはよくわかります。新しい環境で”とまどう”感じも理解できます。
しかし、彼は非常に前向きで地道に営業活動を実行していました。私に会いに来た時も自作のチラシをたくさん持っていました。すごいと思います。
そんな彼が私との会話で一番反応したのは、SNSの使い方についてです。
現在の社長さんからも SNSの活用を強く推進されてはいるのですが、自分の営業活動にどう生かせばいいのか?をまだ掴めてないようです。
大企業の時はネット広告もたくさん使って、大規模にCⅯや告知活動ができました。
しかし個人店では効率が悪すぎるのでできません。大企業に勤めていた我々にとって
個人店のネット活動って何なのだ?となります。
ですから、個人店のネット活動について書きます。
まず自営業は異動がありませんからお客様と長い関係を持つことができます。
自営の飲食店の経営者に求められる販促活動は昔から、地道で泥臭い行動です。それは、お客様の名前を覚え、連絡先を聞き、電話をかけたり、はがきを出したり、直接連絡が取れる関係を作り上げる事です。
知り合いとなったお客様へ販促活動をするのです。
私は彼に「自営業の販促の在り方は過去と同じで、ツールが変わるだけって考えてます」と言いました。現代において、企業から電話が直接かかってきたりハガキが送られてくるって、ウザいのです。だから、その代わりにLINE公式アカウントやインスタ・フェイスブックを使うだけ、って事です。
LINE公式アカウントやインスタ・フェイスブックで、不特定多数に告知して「網をかける」のは大企業やり方です。
我々自営業はおひとりおひとりに電話するようにLINE公式アカウントやインスタ・フェイスブックを使うのです。
ですから、お店に来ていただいた人や挨拶をした人にお願いしてフォロワーになってもらうのです。ここが大きな違いです。フォロワーの量ではなく質が大切なんです。
送信する情報内容は自分にしか書けない事を書きます。自分の人柄をぶつけていきます。その効果があるかどうかは開封率とかブロック率やクーポンの回収率をみればわかります。
私の経験から言えば、正しい自営業をやっている人のSNSならば開封率・クーポン回収率において大企業の5~10倍の効果があります。地道にひとりひとりフォロワーを増やしていくのですから、あたりまえです。そういうやり方を意識すれば、あとはゆっくりと、コツコツと・・・・。
1年もすれば結構すごい数になります。
大企業はお金をかけた広告をSNSにいれたいので、最初から不特定に大量のフォロアーを獲得しようとします。質より量です。
最近はお客様のスマホで注文する形式も多いですね。このシステムはスマホを使った瞬間にその人はLINEアカウントのフォロワーになってしまいます。一見効率の良いやり方に見えますが、プロセスをはしょりすぎです。
無理やり、騙してフォロワーにしているようなものですから、このフォロワー集団は回収率が低くて、帰属意識も軽いと思われます。だから通知を出す費用がかかるわりに売上げにつながりません。「導入スピードは速いですが、成果には遠い」サラリーマン的なやり方でしょう。
自営業者はどうせお金をかけた広告なんかつかえませんから、急ぐ意味なんか無い。
個人店は大企業が絶対できない事をやる事が醍醐味です。
言い方は悪いですがコンプライアンスすれすれな行動とか、最大限リスクを背負ってチャレンジとか、ができます。(コンプラすれすれですから具体的にどんな事、とはいえませんが・・・)
そんな話をしていると、彼の眼の色が変わってきました。何かひらめいたようです。
業界が違うので何を思いついたのかわかりませんが、明らかに元気になりました。
大きな会社で長年社員をやっていた人ならば、大企業が絶対にできない事や背負えないリスクは何かを知っています。それが彼の大きな強みです。
ある意味、これまで自分がやっていた行動パターンを180度転換すれば、SNSの有効利用なんかカンタンなもんです。新しい事を考えるのではなく、ひっくり返すだけ、っていうイメージですね。立場が反対になったのですから、考え方も180度転換です。
定年退職する友人がだんだん増えてきましたので、こういう理論も用意して友好を深めていこうと思いますわ。
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