飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

火事場から逃げるとき・・・・

有事に強いとか

非常事態に対応するとか、

そういうことってものすごく大切です。

 

 

たとえば、火災が発生したら「みんな逃げろ!」って大きな声で叫び、

訳が分からない状態の人を、安全な場所まで引きずってでもつれていくような行動がリーダーには求められます。

 

そんなときに、「自主性を重んじます」、とか、「ひょっとしたら死ぬかもしれないよ」、とか言って説得したりトレーニングしたりしてたら悲劇的な結末になる。

 

このように、リーダーシップのスタイルは時に応じて変化します。

 

新人のSさんは、とても有望で、仕事をきっちり覚えようとします。お客様への対応も丁寧で、将来のエースになる人です。

そんなSさんと働いている時に、急にお客様が立て続けにご来店される”ラッシュ”が起こりました。

 

あと20分もすればもう一人のアルバイトさんがやってきますので、その間を私とSさんの2人で耐える状況です。

 

私はSさんに「落ち着いて、急ぐ必要はないから、間違わないようにしてね」とだけ言っておいて、状況に合わせて動いていました。

私にとって、この状況は慣れていますので、「やっていい事・やってはいけない事」の区別はついていました。

 

後回しにできる事は絶対にやたないのです。この20分間はコップ洗いなんかする必要もありません。

 

私がSさんに「後回しにしていい事はするな」という指示を出しました。

お来店直後はお客様の追加注文(ドリンク)があるので、そこに集中しておいたほうが安全だからです。

そういう理論はなかなか理解できないので、

Sさんにすれば

「お客様がいっぱいいるのに、何もすることが無い」と思うのでしょう。

「何かしなくちゃ」と思って、コップを洗い始めました。

 

コレ、一番してはいけない事です。コップは洗わなくても20分間は確実に営業できます。

「仕事を探すな!!」

私から厳しい指示が飛びました。

 

お客様の方を向いて、注文や要望がないか、だけをみておいてほしいのです。

でもそれは彼女には「何もしてない」状態に感じるのでしょう。

 

「アレをしろ、コレをしろ!」と命令するのはラクですが、

「それはやるな」と行動を止める事は、結構難しいのです。

 

言われた方は意味が分からないので、作業を続けますので

「止めろ!配置に戻れ!!」と、繰り返し言われるのです。

 

「火事場からの逃げ方」を知っているのは私(リーダー)だけなので、私のいう事を聞いてほしいのですが、火事場にはその理由を説明する時間が無いのです。

 

そういう、経験があるので普段からの信頼感が大切なんだと思います。

考えすぎる人より、実践的な人を雇ったり、面接時に「私に対するコミュニケーション力」を確かめたりする理由はコレです。

 

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