飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

アンバランスな戦略は怖い

アルバイトのSさんが、最近ある焼き鳥屋さんを利用したようです。

 

飲み放題付の安めのコースを注文したのですが

「焼き鳥が3本しかなかったんです」とのこと。彼女は御不満だったようです。

おそらくは、メニューでのコースの説明では「焼き鳥3本」と書かれてあったと思いますが、読んでなかったのでしょう。

お客様の感覚って、そんなもんですね。怖いです。

 

飲み放題と焼き鳥3本のバランスが合わなかったのか、本来Sさんは飲み放題を注文すべきお客様ではなかったのか、、、。

 

ところで、

 

居酒屋にはいろんな戦略・戦術がありますが、

「生ビール(やドリンク)を極端に安くしてお客様を引き付ける」という戦法をとるお店も多いです。特にチェーン店によく見られる傾向です。「本日の目玉メニュー」とかではなく恒常的に安いのです。

異様に安いドリンク価格設定なのでお客様が思わず立ち寄ってしまうのです。

 

関西では「勝男」さんがドリンク安いですね

 

ただ、ドリンク(特に生ビール)を恒常的かつ極端に安くすると、その反動は「食べ物」にでます。値段の割に量が少なくなったり、品質を下げたり、コースの量が少なかったり・・・です。

 

目立たないように、工夫しているのですが、やっぱりこのSさんのケースのようにバレるのでしょう。

お酒を大量には飲まないお客様にとっては、不味くて、少なくて、高いお店に過ぎない。

 

こういう戦略・戦術は商圏(立地)によって成功する場合と失敗する場合があります。

アンバランスな価格設定をとるならば、商圏もアンバランスである事が条件です。

 

大量にお酒を飲む事が目的のお客様の多い場所(歓楽街・繁華街)だったら成功するかもしれません。

しかしファミリー層や一般的な女性客の多い場所ならば、そんなにたくさん飲まないし、生ビールだけではなくいろんなカクテル系も売れます。

そうなってくると食べ物メニューの割高さが目立ってしまうのです。自分たちは普通のレベルを保っていると思っていてもお客様には「安かろう悪かろう」に見えやすい。

 

こうなると

知らず知らずのうちに、お客様が減ってくるし、食べ物が売れなくなって利益率も下がってきます。商圏と戦略がマッチしていない事に気が付かないといけないのですが、チェーン店はその価格設定自体が必須条件の場合もあり、やめられません。

 

住宅街に近い場所で営業する個人事業の居酒屋さんは、こういうアンバランスな戦略に手を出すべきではないと思います。極端な安価を打ち出して、長期的にハイレベルな売上げを確保するには、相当な宣伝力や経営改善、優秀な出店戦略が必要です。大企業だけができる事でしょうね。

 

一つ一つのメニューに 妥当な売価をつけてオーソドックスな営業をしていると、爆発的に売れたりはしませんし、大酒飲みの方は来ないかもしれませんが、住宅街に居る多くのお客様にマッチしているので、長い安定的な商売ができる可能性は高いと思いますね。

怖い怖い

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