飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

老舗の凋落

小学生のころ、家族で食〇園に焼肉を食べに行くのが、なによりも楽しみでした。もう50年くらい前の事です。

 

親に「誕生日に何が欲しい?」と聞かれても、「焼肉につれてってくれ」って言っていたくらいです。物欲より食欲です。

 

当時は個室なんかではなく、ガス式のコンロがテーブルの上においてあるだけで、排気ダクトがあったのかどうかも覚えていません。大衆的なお店でした。

タレが美味しくて、お肉によくからんで、美味しかったのです。お肉もごつごつしていたように思います。

昔はこんな感じ

その後食〇園はお店の数を増やし、CMを放映するようになって、高級店になっていきました。15年くらい前に行ったときは「相変わらずタレがうまいくて、おいしい」と感じましたが、きちんと整えられた立派なお店になっていました。

 

しかし先日この利用したときに、「アレ?」っと思いました。

 

お肉がタレに馴染まなくて美味しくない

ビール中瓶が800円近い値段になっている

ランチタイムに利用しましたが、お客さんは高齢者ばかり

 

おそらく素材は黒毛和牛とか、高級なものになったのでしょう。

今はこんな感じ

単価が高いので1枚1枚が薄い。綺麗にスライスされているのでごつごつしていないからタレが馴染まなくて味が薄い。高くてあっさりして量が少ないので、年配のお客様が多いのでしょう。我々以上の世代だとビールを飲む量も減ってきますので、高くても問題ありません。

 

しかし家族で利用して、子供が喜んで食べにくるような、量でもないし、質でもないし、値段でもない。

 

少し寂しくなりました。

 

お店が「企業」になって生き残っていくために、いろんな戦略を立てて変化してきた結果、こうなったのでしょうが、このままでは近い将来、その歴史を終えるでしょう。だってお客様(高齢者)はいなくなってしまいますから。

 

大衆店が有名店になって老舗になっていくことは良い事ですが、こういうふうに老化してしまうのは寂しい。真面目に取り組んでいた結果でもありますが・・・・。

 

お客様と一緒に成長し、お客様といっしょに歳をとり、お客様と一緒に・・消える。

これは、避けたい。

 

こういう学びから、私は、郊外の飲食店は家族連れが来てくれている事を お店の存続のパロメーターとしたいと思います。とくにおじいちゃん、お父さん、お孫さんの3世代で利用できる雰囲気、値段、味を保っていく事を大切にします。可能かどうかわかりませんが、お子さんで利用されていた人が「親になって」自分の家族を連れて来てくれるようなお店が私の理想です。

問題は私が年を取ってしまう事ですけどね。

なつかしい…ちょっと古すぎるけど

 

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