飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

挙動不審者・理不尽対策

めったにない事ですが、お客様をお店から追い出す事がありました。

外食経験の中では、10年に1回あるかどうかの事態です。

 

モノを壊すとか、従業員にちょっかいを出すとかいう迷惑行為に至った場合は、警察を呼んで賠償してもらいますので、追い出すような事態にはなりません。

ではどういうときに追い出すことになるのか、といえば・・・・

 

わかりやすい例を言えば、「酔っぱらい」です。入って来て座ったとたん、変な事を言い出して何を言っているのかわからなければ、出ていってもらう以外にありません。

こういった「挙動不審者」と認められた場合、従業員に不測の事態が起こらないようにご退席いただくべきなのです。

 

挙動が不審かどうかの線引きは店長に任されます。

 

店長が「話が通じない」「酒臭い」「挙動不審だ」と確信していても、

相手は「暴れたわけじゃない」「何かを壊したのでもない」と主張したり「被害もないのに追い出すなんて警察を呼ぶぞ」とか言ったりします。

 

経験上、どちらも実質的な被害が無い状態では、先に「警察を呼ぶぞ」と言った側が悪者です。言い方を変えれば、何か後ろめたい事のある人の場合が多いです。

 

挙動不審者に「警察を呼ぶぞ」と言われた場合、「どうぞ、呼んでください」といっても、まず呼びません。

 

「警察を呼ぶといって呼ばない」場合、この人は挙動不審者だと判断して間違いはありません。脅そうとしたわけですから。

 

こうなると、もう会話をする必要はありません。「お帰り下さい」「近寄らないでください」だけで充分です。それ以上の会話や説明をする行為はリスクでしかない。

 

変な言い争いになったり、言い負かしたりしても何のメリットもありません。荒っぽい言葉を使ってもいけません。

「お客様と機知を争ってはいけない」のです。「あなたが不審者だからです」とか「ええかげんにせーよ」なんて言ったら、店長の立場が悪くなるだけです。

 

相手はいよいよ困って来ると、前に書いたように「物損や暴力などの金銭的被害もないのになぜ追い出されるのか?と言ってきます。

 

一瞬、筋の通った反論に聞こえますが、理不尽です。騙されてはいけません。

 

物損や暴力があれば警察につきだせますので、追い出したりしません。物損や暴力行為が起こる前だから「追い出す」のです。

 

店長が自分のお店で「ご退席ください」というのは違法でもなんでもないです。しかし、同時に非常に難しい行為です。

店内で飲みすぎたお客様の態度がわるくなってきても、なかなか追い出せないです。ですからチャンスは入店直後しかありません。

 

いうべき時に躊躇して、あとで後悔するような経験を積んでいくうちに、言うべき時にちゃんと言える店長になります。

ちゃんと言える店長こそが「従業員を守ることができる店長」です。

本当大切で難しい事なのです。

但し、

間違った条件で追い出してしまうと、ただお客様に失礼な店長になるだけです。自分の中で必ず確信を持てている事が不可欠なので、ご注意ください。

 

入店直後のお客様の様子はいつも注意深く見ておきましょう。大きなトラブルを回避する方法がこれしかない。

 


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