私がお店を始めた理由は、あくまでも生活のためですが、
職種として個人事業の飲食店主を「やってみたい」と思った理由は別にありました。
私は22歳で飲食チェーンの社員として働き始めました。
自分が店長になるまえに7人の店長の下で働きました。
その店長の皆さんの仕事を観察したり、吸収したり、反面教師にしたりして・・数年で店長になりました。
店長は楽しかったですし、リーダーシップの使い方を学びました。
30歳代でスーパーバイザー職になりました。常時十数人の店長やオーナーさんたちを受け持ち、助言をしたり、相談相手になる業務です。
直接店舗に出向く事が多い仕事でもありました。
自分で言うのもなんですが、担当した店長やオーナーの性格や状況を含め、お店の事は正確に把握できていたし、するべき指導もアドバイスも使い分けていたと思います。
「成果」もしっかり出ていたと思いますし、やりがいがありました。
そんな私も40歳代になり、本社のスタッフになりました。
原則、店舗に出向かない立場です。
本社スタッフの私がたまにお店に出向いても、私の助言はほとんど通じなくなりました。
本社内で営業の部長らに、話を否定される事はないのですが、実際に現場で同じ話をしても、現場の人には通じません。
一番顕著なのは、「お店が人不足なんですけど」と言われた時です。
現場のスーパーバイザーだったら、原因の究明から改善策の立案、実行、評価までをサポートできますが、本社の人間は、時間的にそこまで立ち入って仕事できないので、何を言っても信用されません。人間関係もないし。
私の中には「人不足」に対する 理論・対策・経験 が詰まっているのですが、それを出す機会もなくなってしまいました。
そんな中で、私の得た結論は
人不足解決のための「理論・対策・経験」を体系化したところで現場の役に立たない、ということでした。
なぜならば「人不足」は現場マターだからです。一般化された論理だけでは対処できません。具体的な現場分析からはじめないと話にならない。
「人不足」はスーパーバイザーと店長が協力して取り組めば改善できます。
しかし、スーパーバイザーと店長が責任をなすりつけあったり、
社会情勢の影響を理由に「人不足は仕方のない事」にしてしまっていたのが当時の状況でした。
つまり現場は改善されないままでした。残念でした。
今も状況は変わっていないと思います。
そんな中、会社を退職して新しい仕事を始めなければならない状況になった私が
「俺はこれから何をしたいのか?」
と自問自答したところ、
「俺の考え方で店舗を経営したら『人不足は起こらない』事を証明したい」
という思いを強く持っている事に気が付き、自分でお店を始める事にしました。
慎重に自身の論理を実行していきましたが・・・
それはことごとく成功しました。嬉しかったです。
「時代は変わって、コミュニケーションツールは変わっても、チームを安定させる論理や法則は変わらない」と確信しました。
そうなると、誰かに言いたくなるのです。
「誰かに言いたい」
その欲求から始まったのがこのブログです。
「飲食店長のブログ」と名付けたのも、店長やその直接関係者(スーパーバイザー)に読んでほしいからです。
このブログは「理論・対策・経験」を体系化せず、そのまま伝える試み、とも言えます。
私が、過去に仕えた店長の行動を見ていろいろ学んだように、読者の皆さんもこのブログを「ある店長の行動を観察する」かのように読んでいただき、自分なりの「理論・対策・経験」を自分の中に作っていただきたいと思っています。
そんな飲食店長のブログも1330話になりました。まだまだ書きます。
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