飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

競争激化②:DX化は付加価値を生みますか

日本は少子化で将来の労働力が不足するから、飲食サービス業の「DX化」を今のうちに進めて、無人でオーダーを取ったりお会計できたりするシステムを導入しておこう、という動きは大企業であればあるほど早まっています。

 

「だって人口減少でもうすぐ究極の人手不足時代が来るんだから」と思っているかのようです。

 

人口が少なくなれば、お客様も減ります。したがって需要が減るのですから、お店も減らざるを得ない。競争に負ければ閉店せざるを得ない。

 

その時代を生き残るための決定打は何なのでしょうか?

 

単純な「DX化」だけでは生き残れないのではないでしょうか。

 

「DX化」思考は、「働く人が減るが、需要は減っていない世界」を設定しているように見えます。

「働く人は減るけど、お客さんは従来通り来るから、店員ををマシンに置き換えるべきだ」、と言ってるように見えますけど、そんな都合の良い未来って本当にありますか?

人口減少するんだから、お客さんも減りますよね。

 

「マシンは熟練した人間より少しレベルは下がるが、下手くそなサービスよりましだろう」とか

そんな発想では競争には勝てないと、私は思います。

サービスレベルが低ければ、お店は競争に勝てないのです。

 

「熟練した人間よりマシンのほうが良い」と思っている人はいないはずです。

下手くそな人間を基準に考えていては、敗者の思想と言わざるを得ない。

だからDX化だけでは生き残れません。

 

飲食店はお客様を引き付けるために、まずは、より高い付加価値をめざすべきです。

 



経営者が有名料理人ならば、特別に上手な料理で付加価値を作れますが

私はそうではないので、人材マネージメントによる付加価値で生き残ろう、と思います。

 

料理も、もちろん精進しますが、

自分の得意なことは、人を活用するHOW-TOをもっている事と、長い実戦経験を持っている事です。

 

あと数年もすれば

「おや!このお店はいまだに人間が注文を聞いてくれるのか!しかも若い女性だな。こんなお店がまだあったのか?行ってみたいなあ。」と言われる日が来ると思っています。

その時に「レトロ風の内外装」はもっと引き立つでしょう。近代的でない事自体が「人的サービスがありますよ」というメッセージになるからです。

 

現在、ほとんどのチェーン店は「人間がオーダーを取る事」をあきらめました。

お店によってはまだまだサービス適性の高い女性スタッフを抱えているのに、、、です。もったいない。

 

なんでも全店で導入したがる体質が急速なDX化を促進しています。

 

DX化が付加価値を生むのか、人によるサービスの維持が付加価値を生むのか

勝負したいと思っています。

 

幸いにして私には 

DX化が好きな世界最大のチェーン店の中で長年働いた経験があるので、

この人 対 機械の戦い方を知っているし、を冷静に楽しむ事ができます。

人が使える個人店は無敵になるでしょう。多分。強気すぎる?

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