「どうやって仕事を教えているのですか?」
と、聞かれる事があります。
当店のホール女子のみなさんが、礼儀正しく良いサービスをしてくれているので、感心したお客様が聞いてくるのです。結構な事です。
そのお客様は社長さんですが、飲食業が本業ではありません。しかし飲食業の友人も多くて業界の人手不足やサービスレベル低下の現状も知っておられます。
かつ、いろんな社長さんが「最近の若いもんは何考えてているかわからん」みたいな事を言っていて、育成に関して「さじを投げている」ようにも感じておられました。
私からは
「40年前も、今も 18歳から22歳の若い人が考えている事とか、刺激に対する反応とかは、何も変わりませんよ。」
と答えました。
人に困っている経営者に限って、「相手が変わってしまった」と定義する傾向にありますが、これは危険な思想です。自分が積み上げてきたスキルを捨ててしまう事になるからです。
過去のやり方に固執するのは良くないことですが、「本質の見極め」さえ捨ててしまうと、何も見えなくなります。
で、私の「仕事の教え方」ですが、小規模のお店ですから、作業マニュアルのようなものは作らず、「先輩から後輩への言い伝え」で作業は覚えていただきます。各学年同じ人数を揃えていますし、退職もめったにありませんからおかしなことが伝授される危険性は低いです。先輩と後輩を組み合わせて働かせておけば、自然に作業はできるようになります。
ですから私の仕事は、サービスの思想や概念を伝える事です。
初期においては
なぜ、おしぼりを取り替えるのか とか
いつ、網を交換するのか とか
網やおしぼりの交換コストは重要ではないのだ とか
お客様がお席をえらぶ時と店側が指定する時の差は、とか
こういう基本的な話題を使って
サービス上の「判断の根拠」となる事について、「まず、あなたはどう思うのか?」を問います。
いろんな会話の中で、
「人から人へのサービスについて」を考えてもらいます。
さらに、
「従業員のおこなう主体的サービスにかかる物品のコスト」がいかにちっぽけなものなのかも説明します。
たとえば、「おしぼりなんか何回交換してくれても問題ない。定量リースだからね」と言います。
タレやスープを継ぎ足すとか、網を換えるとか、そんな事に躊躇しない意識を作っていきます。
こうなると、あとは「やりすぎを止める」事が仕事になります。
止める時には、なぜ止めるのかを説明する事になりますので、より深い理解を呼び覚ますことになります。やりすぎてくれる人のほうが成長も早いし。これも収穫の多いアクションです。
仕事の教え方のHOW-TOってこんな感じです。
今後、もうちょっと別方向から考えて違うHOW-TOも書きたいともいます。
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