新人のMさんとかSさんとかは、研修期間も終わったので、だんだん使えるようになってきました。
新人さんが使えるようになってきたとき、その動きにおいて、同じような傾向を示します。
それは、お客様近いエリアではなく、厨房に近いエリアにポジションを置きたがるということです。
動きや知識に自信がないので、お客様と接触の多いエリアが怖いのでしょう。
したがって新人のうちは、コップ洗いとかができるシンクの近くに立っている事が多くなります。
ところが、これが悲劇の始まりになるのです。
ほんとうは、コップ洗いだけのポジションなんか無いのです。
シンクの近くということは、厨房にも近いので、いろんなサポートワークをしなくてはいけません。伝票を綺麗に並べるとか、何かを補充するとか、多種多様な用事を言いつけられたりします。自分で考えないといけないことも多い。いったん、この位置にハマると、動けない。
厨房とホールを結ぶポジションはいちばん経験を要するやっかいな場所なのです。
新人さんはお客様から逃げたつもりが、さらなる難易度の高いエリアに来てしまっている事に気が付かず、あれやこれやをやらされてパニックになっています。忙しくなってくると「新人さん」だということも忘れてしまいますし、研修期間は終わっているので他の人もつい、普通に接してしまうのです。
だいたい新人が泣き出すのもこのエリアです。
お客様に近いエリアにいたなら 注文を聞いて伝票を書くか、ドリンクを作るだけです。仕事はお客様が命じてくれるので、考える必要もありません。そのうち慣れてきたら、結構動けるし、コミュニケーションも多くて楽しくなってきます。
ホールでお客様と接していて泣き出す人は見たことがありません。しかし、厨房とサービスのはざまに挟まって、強い口調で指示されたりして、ポロっと泣く人はいます。
そもそも、
お客様から逃げてるから、ひどい目にあうのです。
どんな飲食店でも、ホールやカウンターのポジションとドリンカー的なポジションだったら、ドリンカーに経験豊かな人を配置しないとお店は機能しなくなります。
でも、素人からは、ドリンカーのほうがラクにみえるのでしょうかね。
例えば、ほんとうの「戦争」においても、最前線で実際に戦う部隊と 食料や燃料を最前線に補給する部隊があります。
有能な将軍は、勝利を収めたときに、まずは補給部隊を表彰する、と聞きました。
どんな仕事においても、サポート役の能力はすべてに影響するのです。
おい、新人!! サポートワークをなめっとったらアカンねんぞ!!
ってことですね。
気を付けてください。なんとか助けてあげようとおもうのですが、何度言っても「危険」なエリアに入って来るのです。「臆病」ではいけません。