飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

営業コンサルが新入社員(下)

テレアポから営業を受けるケースはありますが、交渉に出てくる社員が明らかに新入社員で力量不足で困る、って話を(上)で書きました。

 

そんな話の中でも、企業からの営業に付き合って、いろいろ話をしてる私に「優しいですね」という評価をしてくれる方も多くおられました。

 

確かに、私は突然のテレアポとはいえ、何か面白い話があるかもしれないな、と思って聞くタイプです。

そのバックボーンは、「事実を聞き分けるチカラ」に自信があるからだと思います。過去の職業経験から、初対面の若い人を面接したり、仕事の評価を面談したり、

「1対1の話合い」については慣れています。

相手と衝突しないで、事実を突き止める作業には、時間がかかってもストレスは感じません。

 

そういった、いわゆる”コミュニケーション能力”は交渉相手にも「優しい」とか「誠実」とかに感じさせているようですが、「契約してくれるんじゃないか」という誤解も生みます。

 

コミュニケ―ション・事実の収集は ビジネスのためにあるのです。

集められた情報を総合して、契約に値しない場合は交渉は打ち切りです。

 

交渉されている契約内容自体が悪い場合でも、営業さんが有能ならば、交渉は続きますが、営業さんのチカラ不足や勉強不足が垣間見られる場合は、交渉がお終わってしまう。

先方の白旗ですね。

 

先方に諦めさせるために話し合ってるわけではないので、交渉打ち切りになったときは「無駄な時間を使わさせてごめんね」と、申し訳ない気持ちになります。

 

先日もホットペッパーの若い営業さんが交渉を持ち掛けてきて、何度かプレゼン受けました。

 

最終的に

毎月45,000円の契約を、1年間25,000円にしますから契約してください、みたいな内容です。

「上司とも話し合って、良い条件をもってきました」と、意気揚々とお話をしてくれました。

 

(なんか違うな)と思いつつ・・・

 

私は、そもそも、45,000円のコストアップがいくらの売上げアップを必要とするのか、という話題に切り替えました。

 

飲食店の売上げにはフード(食材費)レーバー(アルバイト代)という変動コストがあって、売上げの55%以内だと利益がでるであろうという定説があります。

 

したがって、純粋に10万円売上げがアップしたとき、フードレーバーコスト55%を差し引いた45%の45,000円が粗利になります。

 

そんな話をしたら「それが『FLコスト』ってやつですか。やっとわかりました。」って言われました。

(そんなことも知らなかったら、オレのパートナーは無理やで)って言いそうになりました。

 

私は「コストに見合う成果が期待できない。

予約サイトだけならもっと安価なものと契約している」

 

という理由で、契約はお断りしました。真面目な若者でしたから何度か話を聞きましたが、それが変に「期待させた」ようで、申し訳ない気持ちになりました。

 

最初から、あっさり断っていたらよかったのかもしれません。

 

自社内の定価からダンピングしたからといって、「そりゃあなたの会社の中の話で、一般的な価値があるかどうかは別問題」です。まず商品の価値を納得させてから値引きしたら効果はあるでしょうけど、そもそもの価値に納得していないのに価格交渉に入られたら、「冷めます」

 

相手の立場に立って、

他社の情報も仕入れて、

競争力のある商品を開発して、

もう一度トライしてほしいと思います。

 

成長してくれ。