飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

永年勤続アルバイトのプライド

船頭多くして船山に上る

過ぎたるはなお、及ばざるが如し

 

こんな格言があります。

 

最近、家の近くの「ロマンチック街道」沿いに、だれもが知っているハンバーガー店がグランドオープンしました。ロードサイドですが、ドライブスルーの無いお店です。

 

入店すると大きな大きなタッチパネルが3台あって、そこで注文と会計をすませて、ウエイトの番号を示す大きなカードをテーブル上に置いて座っていたら、ほどなく私の食事をもってきてくれました。

 

「これは便利だ」

 

素晴らしい!!

ラクだ!!

と、思いました。

 

ふと客席を見ると、私の方を年配の女性がひとり、じっと見ていました。

 

不審者を見るような表情です。

 

70歳以上の女性でしょうか、2人組でお店に来て、おしゃべりしたいようです。カウンターで1人がコーヒーを2杯買いにいってます。

しかし、あとから入った私がカウンターに行かずに座っていると、店員さんが商品をもってきたので、不思議に思ったのですかね。

 

私は、いろんな買い方のシステムに慣れているので問題ありませんが、慣れない人にとって、このお店は難しい。

新店ですから、余計に大変ですよね。

 

しばらく、見物していると、不思議な事に気が付きました。はつらつとした従業員の多くがカウンターの中で、

「いらっしゃいませー、どうそ!!」と、張り切っているのです。

 

だから、カウンター前には多くの人が立ったまま、何かを待っています。そこにウーバーイーツさんが来て商品をもっていったりもしています。

 

本当に、この店はカウンターにお客様を誘導するべきなのでしょうか。

 

私は一度もカウンターに行くことなく、この店を出ました。

 

この店のサービス活動や接客はカウンターより外で行うほうが、効率がいいです。

 

この店の本当の価値や長所を浸透させるためには、

カウンターには誘導せずに、タッチパネルからの注文に誘導するほうがいいんじゃないでしょうか。

カウンターの中には最低人数だけがいて、説明能力の高いベテランは客席やタッチパネル近辺にいて、新しいシステムの便利さを解説したほうが将来のためになるんじゃないでしょうか。

 

しかし、長年働いている従業員さんにとって「カウンター内でハッスルする」事が、プライドの根源なのでしょう。

 

ヘルプ従業員なのか、移籍従業員なのかわかりませんが、新店採用とは思えないベテラン感のある人が、カウンター内で大きな声を出している姿を見て、もったいないなあ、とさえ感じました。

 

毎年のように、新しいシステムを考案して、店舗に次々導入しているチェーンです。

 

しかし、最前線には10年・20年勤続のベテランアルバイトがいますよ。

彼ら、彼女らのプライドは何によって支えられているのか?どういうサービスが良いサービスだと思っているのか?を理解しているのかなああ?と思いました。

 

せっかくの、素晴らしいシステムが不評にならないようにしてほしいですね。