飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

「自分のために学ぶな。お客様のために学べ。」

 

 

現場での一幕です。

 

新人のHさんの動きを見ていて「おやっ?」とおもったのです。

 

彼女はお客様に瓶ビールをサーブしましたが、テーブルの端っこに瓶ビールとグラスを置いてきました。

 

(これでは配膳ロボットと変わらない)

 

私は帰ってきた彼女に「なぜ端っこに瓶ビールをおいたのか」を聞きました。

 

彼女はすぐに、私に注意されたと思い、何か言い訳をしていましたが、

 

私は次の言葉で

 

「お家に大事なお客様が来て、その人にお茶をだすとしよう。あなたはテーブルの端っこにお茶をおくのかい?」

 

「会社に入って、お客様にお茶を出そうとおもったら、テーブルに書類が広げられていたら、黙って端っこにお茶を置くのかい?『ここにおいていいですか?』とか言うんじないのかな。」

 

というと、注意の本質に気づいたようです。

 

「お家で、お客様や親戚が来た時にするようにしてください。それがあなたが求められている仕事です」と言っておきました。

 

決して彼女は不真面目な人ではありません。しかし入店以来、仕事を覚えようとしていますが、こういった注意を要する場面が多いのです。

 

コースのお客様に焼肉をサーブしたあと、ご注文のライスをもっていかずに、焼肉の後のお鍋を準備をしはじめたり・・。

 

やっている事がチグハグです。

 

こういう人には

「自分のために学ぶな。お客様のために学べ。」

 

と言いたいですね。

彼女はお客様に接したときのために、完全な知識を得たいのでしょう。だからあれこれ覚えたがります。アイドルタイムに先輩にいろいろ質問して「こういう場合は~、ああいう場合は~」と聞いています。自分のためです。

だから真面目ではありますけど、現場でその知識は生きない。

 

なぜなら、彼女は「お客様を見ていない」し「お客様のために学んでいない」からです。

 

よく考えると、営業中なら全てのニーズはお客様から発せられるのです。お客様が何かを注文したり、何か欲しそうなしぐさをしたりするから 仕事がはじまります。

 

しかも、同じお客様から、いっぺんに何個も仕事が命じられる事は少ないのです。

 

ですから、落ち着いてお客様のニーズを確認し、どうすれ良いかわからなければ先輩や店長に聞いて、その通りにやれば、すぐに実践できますし成功体験になるので、その作業は自分の身に付きます。その作業の使い方も一気に取得できますから。

 

しかし、口頭でケーススタディばっかり聞いていると、あたかも一度にたくさんの仕事が入ってくるかのように錯覚します。で、実際ニーズが発生しているにに気づかなかったり、どのケーススタディも当てはまらない事に失望したりします。パターン化なんかできないからで。

 

ですから、こういう人には「お客様をよく見ていなさい。お客様が仕事をくれるまではじっとしていていい。」と言う事にしました。

 

私のお店では「ヒマになったら〇〇してね」とは言わない。

 

「ヒマになったらじっとしておけ!次のお客様のニーズに備えてね」です。

 

 

飲食店の営業中の仕事は 全てお客様です。と決めてしまえば、複雑な作業や考え方のトレーニングも不可能ではありません。

極端な言い方は危険ですが、そう言う言い方がしっくりくる人もいます。

 

雑務は前線から外して行えばいいのです。前線に雑務・雑学取得業務を取り入れたら、サービスが死にます。

 

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