飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

数値評価の落とし穴

各サイトでいろいろな手法で、飲食店のレベルは数値評価されています。

その数値が上がれば売上げが上がるという「説」もあります。

 

多分、正しい「説」だと思いますが、必ずしも100%正しいとはいえません。

いろんな環境があるので注意して扱いたいと思います。

 

なぜなら、この数値評価というものについては、

おかしな思い出があるからです。



数年前ですが

えげつない人手不足に悩むお店がありました。

日曜日にそのお店の店長に合おうとして朝9時に約束してお店にお邪魔しても

9時に店舗到着したときはすでに店長さんは一生懸命働いていて

そのまま夕方まで待ちぼうけました。

 

バイトさんの人数が少ないだけでなく、

そんな環境ですから新人の育成も進まず、早期退職も多かったのです。

でも、なぜかその店は

10年以上続けているスタッフばかりになっていました。

つまり、その環境に慣れてしまった人や、他に行けない人ばかりのお店になっていたのです。(若い人はいません)

考えてみると、

新しい学生アルバイトさんが入ってきて、先輩が勤続10年以上の年配の人ばかりだと、そりゃ怖くなって辞めますよね。

 

既存のスタッフにしてみれは休日の忙しい時さえ我慢すれば、平日はそれほど忙しくないし、スケジュールは全部使ってくれるし、安定した収入になりますので、慣れてしまえば辞める必要もない。

 

問題なのは、店長が1日も休めず、極度の過重労働になっている事と、お客様が激減していくこと。そして信じられないほど売上げが低下している事です。

お店シフト不足とお客様の減少はだんだんマッチしてくるのです。

 

ですが、

店舗状態の覆面調査においては、10年勤続のアルバイトが上手く切りぬけているので、点数が良かったのです。お客様さえ少なければ、、、、ベテランアルバイトですからスコアは上がります。

 

ですから、過去、そのお店に関与した人は、「問題に目をつむって」いました。

ただ、極度につらいので、社員や店長の退職が相次ぐのです。

まさに「マネージャーの墓場」です。

 

この「マネージャー墓場」が放置された原因が「覆面調査の成績に問題が無かった事」です。悲劇です。

 

この「マネージャー墓場」に配属され、家庭生活の崩壊に悩んでいた店長さんに、私は人材確保と育成のコツを全部指導しました。店長さんは半年ぐらいで普通のシフト生活ができるように改善できました。喜んでくれました。

 

しかし、普通に新人アルバイトを受け入れるようになって、通常の職場環境になったら覆面調査のスコアが下がったのです。

そりゃそうですね。不慣れな人が存在するようになったからです。

 

では、あなたは覆面調査のスコアを維持するために 新人採用をストップしますか?

 

そんな事をしたら、今はよくても将来必ず崩壊します。

 

ですから、新人を抱えながらも良い状態を保つように努力するわけですが、

短絡的に考えるならば、新人を雇わなければ一時的にはスコアが向上するのです。

 

SNSによる店舗状態の数値化や覆面調査にはそういう一面もあるのです。

お客様の目だから仕方ないのですが、数値を使う方の意識改革が必要です。そうでないと悲劇が起こるし、ビジネスが崩壊するからです。

お客様の意見を正しくビジネスに反映できる人はプロフェッショナル

お客様の意見を鵜呑みにして現場を見てない人は害悪ですね。

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