飲食店長のブログ ~ 人材戦略の実践レポート

実際に飲食店を経営しながら、そのノウハウを突き詰める

デリバリーって、ほんまに儲かるんですか?

デリバリーのシステムに参加しませんか?というお誘いの電話をよくいただきます。

感染騒動でヒマになった飲食店の厨房を使って、デリバリー用のブランドに参加し、一つの厨房で店内とデリバリーで違ったメニューで営業するというものです。たとえば、店内はうどん屋だが、デリバリー用にメキシコ料理屋を立ち上げるとかのアイデアです。

当店は暇ではないし、厨房に余裕はないので断りましたが、お店の状況によっては飛びつく人もいるかもしれませんね。

ものすごく、基本的な考えの確認ですが、そもそも客席付きの飲食店がデリバリーに切り替えても儲かるはずはないと思うのです。

自社でデリバリーするのも含めて、利益が出る構造になる事はないんじゃないでしょうか。

自社でやったとして、人件費的に考えても、1人のアルバイトが1時間に2件までが配達の限界ではないでしょうか?ドリンク抜きですから単価もさがりますし、店内で働いた場合に比べて1人当たりの獲得できる売上げはかなり低い。投資が回収できるのは先の先では・・・。

だからデリバリーアイテムの価格は店内販売より上げるのですが、価格を上げすぎると需要が無くなる。高すぎるとお店の信頼に悪影響もでる。

デリバリー業者さんに運んでもらう事によって投資を抑える事はできますが、店内がピークになると回らなくなりますので、デリバリーを中止せざるを得ない事がよくあります。これでは売上げは伸びない。

ピザ屋さんのように、最初からデリバリー前提で建設した設備で、客席をもたずに運営すれば成り立つのかもしれませんが、客席付きの飲食店が売上げ低迷の対策の「目玉」として、デリバリーに手を出すのは、論理的に無理があります。

「平日の暇な時間の対策で、試しにやってみましょかね」小遣い程度の売上げがあればいいかな?ぐらいの感覚が精一杯じゃないでしょうか。

この業界は本当に心配です。

今、新しい感染騒動が起こってはきていますが、重症者発生率は少ないようですし、需要は大きく減ると思います。うまく縮小した企業の勝ちではないかと思います。